三匹の羊/チャットモンチー

チャットモンチーと私

『あいかわらず』レビュー

作詞:高橋久美子 作曲:橋本絵莉子

Awa Come』収録。

Awa Come

新作4曲、上京前の旧作4曲とのことでしたが、これは『chatmonchy has come』に入っていても良さそうな曲ですね。

『キャラメルプリン』は『耳鳴り』に入れても良さそう、『My sugar view』は強いて言うなら『表情』向きでしょうか。『雲走る』は『耳鳴り』感もありますが、徳島全開なのでこのアルバム以外に考えられないなぁ、などなどと。

あいかわらず

あいかわらず

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 手垢のついた言葉で言えば、「友達以上恋人未満」の曲ですね。

ストリングスが入っているのが大きな特徴なのですが、これは後に回して。

構成としては『ツマサキ』に近いものがあります。

王道のA→B→サビの展開ではありますが、Aメロとサビのメロディが似通っている、という素晴らしさ。個人的に『ツマサキ』のラスサビでAメロの歌詞がサビに乗っかるのがとても大好きなのですが、良い発明したなぁと思います。

『ツマサキ』ほどメロディは一致していませんが、この静かな構成って素敵じゃないですか? チャットのメンバーと同じく、"サビがどこだかわからない歌"が好きなので。

歌詞

鈍感な友達を描いた歌詞で、素材としてはベタな節もありますが、あくまで言葉遣いが素敵な歌詞です。

サンダルには気づかない

髪切ったのも気づかない

でもいいんだあいかわらずの君も

一つだけ気づいてる

このさっぱりとした恋心が、まるでサイダーのようで素敵です。普段着で恋愛している感じの関係性が愛おしく感じられます。

下ろしたてのサンダルつっかけて

この辺りも、見せたいのが一張羅のワンピースとかではなくて、あくまで「下ろしたてのサンダル」ということで、相当に親しい関係なんだと伝わってきます。第一に人として尊敬しあえる、人として好きというのは前提にあるような関係。良いなあ。

そして、このベタ甘な歌詞の中でも、「あいかわらず」とか「一つだけ気づいてる」っていう言葉の、「その先」については言及しないところがまた巧妙だなと思います。つまり、説明が少ないのに、しっかりと状況が伝わってくるところが良いのです。

ストリングス

ストリングスを導入しています。1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが鳴門教育大学の学生さんたちの演奏。ティンパニ吹奏楽部で経験のあるくみこんが演奏しています。

ストリングスのことについては素人ですが、一つ言えるとしたら、あえて壮大じゃない、些細な曲にストリングスをつけたのが面白いところかなと思います。ストリングスのおかげで雰囲気は大恋愛なのに、実際歌詞を見てみるとたかが「ただ会いたくなったから」って言っちゃった、ただそれだけしか進展していない曲というのが良くて、若い頃の本人にとってはきっとこれだけで壮大な音楽なんだな、というのをわからされるような節がありますね。

バンド隊のほうはというと、一番と二番の間の間奏で、ドラムとベースがぐんぐん進むようになるところが、『ウィークエンドのまぼろし』などにも見られるパワーを感じます。特にここのベースのフレーズがめっちゃかっこいい。

あと、全体的にギターが歪みまくってて、それでいてコード弾きで裏方に徹している(ギター2本あるバンドのギターボーカルみたいな感じ)のが新鮮です。

 

ブログについて

最近更新が滞ってしまっていたのですが、アクセスが多くてありがたいです。SNSでの宣伝もなにもなく、こちらから読者になるなどのアクションをするわけでもなく、ただチャットモンチーの曲紹介だけというニッチなブログではありますが、ようやく1000PVを(しばらく前に)達成しました。今後もチャットモンチーを推していきたいと思いますので、まだまだ未熟な点や間違った情報を書いてしまうこともあるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします。