4枚目のオリジナルアルバムにして、高橋久美子の在籍中最後の音源となったアルバムです。
確かに一般の評価の通り、一回目に聴いた時の印象はさほど強くありません。が、はっきり言いますが、私が思うに、チャットモンチー史上最高の完成度を誇るアルバムです。詳しくはまた後で。
続きを読む作詞・作曲:橋本絵莉子
『変身』収録。
演奏:Ba. Co. 福岡晃子 / Vo. Dr. 橋本絵莉子
プロデュースはジム・オルーク。
ループマシンは特に使わず、驚きのギターなし曲です。個人的にアルバムで一番好きな曲です。
展開は、サビ→サビ→C→サビ という感じ。このCメロ相当の部分がいい味出してます。
破壊力抜群の、重いドラムとベースのコード弾きから始まります。特に説明することもなく、ただ聴いていただきたいのです。本当に楽器が語ってくれているので。
えっちゃんのドラムはリズムが少~し遅れがちで、一方ベースがリズムキープしている感じなんですが、この曲全体として、地の震えるような力強い感じがうまく出ていると思います。本当に常識はずれのオンパレードであるアルバムですが、この曲は特にその面が強くでていますね。
続きを読むレビューというほどのものではないのですが。楽曲提供メモを。
作詞・作曲:橋本絵莉子です。
ナナヲアカリさんは初めて聴いたのですが、アニソンなどを手掛けてらっしゃる方なのですね*1*2
しかし、それらの曲と打って変わって、『メキシコサラマンダー』は、本当にチャットモンチーかと思うくらいの曲でした。ギターソロとかプロデュースまで手掛けたのでしょうか。
まず言ってギターの歪み方が他の曲と全然違うし。ドラムの入れ方も随所でなんかくみこんをどこかに思い出させられるような感じ。やっぱ橋本絵莉子って"形"ではなく"芯"がロックですよね。自然と出てきた感じがします。
サビで張りすぎない、結構オルタナティブ・ロック*3な仕上がりなんですが、『愛捨てた』〜『キャラメルプリン』〜『レディナビゲーション』みたいな匂いを感じて、おおおおお、となっていました。
他の曲がロック系でも特にハイテンポでテクニックを見せる曲が多い中、演奏はシンプルで、存在感がありますね。
……いやこれチャットモンチーにいつもする説明じゃん! えっ!?
まあ感想を書き添えておきますと、この曲はナナヲアカリ本人の声というのが合っているなと思いました。今えっちゃんが歌うのは、それはそれで違うような気もして。さらっと低めに歌い上げるのが良いですね。*4
くみこんの選ぶ絵本3冊ということで。見かけたのでご紹介を。
短い言葉にこそ宿る力ってものもあるような気がして、そう、長々とこねくりまわさない迫力とでもいいましょうか。絵本や詩画集というチョイスは素敵ですね。
2020年、そしてこれからもまだ気の抜けない日々が続いて行くと思われますが、言葉が何の役に立つのか、といえば、こうして支えになることであり、時に現実的な解決策以上のものを人々に提供してくれます。
サルトルは「文学は何ができるか」という言葉を残していますが、たとえば文学、たとえば音楽、たとえば映画……不要不急だが確実に必要なものたちに、私たちは支えられていたのではないかな、と思うばかりです。
私事ですが、特に緊急事態宣言下は、チャットモンチーの音楽と言葉に助けられた日々で、毎日変わらない部屋の中で鮮やかな世界を教えてくれましたし、おかげで明日を楽しみに思い続けられました。
それに、記事を読んでいて、この高橋久美子という人間を作詞家に仕立てあげたという面でも、チャットモンチーというバンドはなかなかその力に驚かされます。