曲自体の評はこちらにあります↓
さて、おそらくチャット史上最も難解であろうこの歌詞を考察していきたいと思います。
ただ、考察を読んだら曲の世界観が壊れてしまう、ということもあるので、見たくない方は見ないでください!!!(その責任は取れない……)
では、書いていきます。結構理知的な説明をするので、不快に思われたらすみません。
解釈を思いついたと言っても、何通りか思いついて、確実に一つに定まったわけではないので、案1,2と分けて書きます。
【案1】本当にドッペルゲンガー説
まあ順当に、ドッペルゲンガーのことを歌った曲と見てみます。
この説の手がかりとなるのは、
- タイトル
- 「地球の上にいるかどうかもわからない」
- 「空中飛行」(=死んでいる?)
- 「不気味さ」
です。書いているのはくみこんですが、えっちゃんのような自己愛の歌と捉えれば、ドッペルゲンガーそのものを歌っている曲だとしても不思議ではありません。
「そうだったのか」「そうなのかもね」とは、きっとドッペルゲンガーの存在を認識したときのセリフです。"ドッペルゲンガーなのか/なのかもね"、と思うことから曲が始まる、すなわちドッペルゲンガーを認識して、死んでしまったところなのだと考えられます(自分のドッペルゲンガーと出会うと、死んでしまうと言われています)。
そして、作者は死んでいると考えれば、
君と二人 空中飛行
雲を通り抜け銀河を目指した
は、「死んでいるから、魂として飛んでいるのだ」とわかります。
また、
少し君を尊敬したり 可愛く思ったり
は、ドッペルゲンガーの自分を少し愛らしく思っているところと考えられるでしょうか。
あと、何の説にしても鍵となるのが次の歌詞です。
ちっちゃくてラッキーな ハプニング
ずっと続いているような そんな不気味さ
この説では、「ドッペルゲンガーと出会って死んでしまったけれど、本人はそれを面白がっている、幸せである」というのが大前提になります。だから、「ラッキー」という言葉も肯えますね。まあ実際に、自分本人と出会ってしまったら、不気味な思いが大きいですが、少し面白さもありますよね。
如何でしたか。この曲を本当にドッペルゲンガーのものと見たら、この通り、自己愛の高まりとして読むことができます。つまり、たとえ死んでしまったとしても、自分自身と二人だけの世界に入れれば幸せだと。相当ヤバいですけど。
解釈の一つとしては面白いのではないでしょうか。
【案2】恋人説
まあチャットモンチーだし、普通にラブソングかな、と読んで見るパターンです。
まず、【案1】ドッペルゲンガー説の怪しい点を見てみましょう。
- ドッペルゲンガーの曲にドッペルゲンガーってタイトルをつけるのはアタリマエすぎるのでは?
- 「大した用事もないのに長電話したくなる」の理由が不明。相手は?(よもやドッペルゲンガーと電話するわけではあるまい)
- 本当に「ちっちゃくてラッキーなハプニング」なら、「ずっと続いているような」の「ような」は何故?
ということが言えます。確かに怪しい。
では、この曲を「恋人のことをドッペルゲンガーに喩えている曲だ」と解釈してみるのはどうでしょうか。
手がかりは次の通りです。
- 「君と二人~」の部分。普通に読めば恋人に見える。
- 「大した用事もないのに長電話したくなる」
- 2番の「ような」
と、こんな感じ。
もう、まさにドッペルゲンガーかってくらい性格の合う恋人だから、
君と二人 どこまで行こう
今 超無敵
となりますし、それが「幸せすぎて怖い」レベルだから、
ちっちゃくてラッキーな ハプニング
ずっと続いているような そんな不気味さ
というわけです。
なるほど一気に幸せな曲になりますね。素敵な関係です。
【案3】心中説
いやいやいや。恋人説、ちょっと幸せ過ぎませんかね。なんかこう、もっと含みのある曲な気がするんですけど……となったとき、1と2が合体したような形で浮上するのが、この心中説。書いてて少し辛いんですが。
- 「ドッペルゲンガーと会うと、死ぬ」という伝説。
- 空を飛ぶ=死んでいる?(有名どころだとスピッツ『空も飛べるはず』みたいな。)
- 「そうだったのか」「そうなのかもね」は後悔?
- 「今 超無敵」(=死んでいるから)
縁起でもないことをいっぱい書くのも気が引けるので、この辺にしておきますが、意外と筋の通る話かなあと思います。そういう愛の形も肯定しているのかも。
まとめ
難しかったですね。偉そうに解釈を思いついたとか書きながら、結論は「わかりません」でした。別に、都市伝説チックなことがしたかったわけではないんですけどね。
でも、こう、「結局何を言っているのかわからないけど、良いことはわかる」のって名作だと思います。詩として完成されているように感じるのです。また事あるごとに読み返して、考えてみたくなる歌詞です。*1
一番の歌詞にはあまり触れられなかったので、また思いついたことがあったら書いてみようと思います。