三匹の羊/チャットモンチー

チャットモンチーと私

『ほとんどチョコレート』レビュー

作詞:福岡晃子 作曲:橋本絵莉子

『Magical Fiction』収録のc/w曲。

Magical Fiction

2011年頃の曲で、ライブでも1回演奏したことがあるものを、がっつりリアレンジしてレコーディングしたそう。

歌詞

歌詞自体は短いですし、サビの印象もあってあまりまともに読まれないかもしれませんが、言葉少なな分、却って良さが出ています。

 もちろんサビの、

ポリフェノール

・テオブロミン

ブドウ糖

・銅

・リン

亜鉛

効能/リラックス、大脳を刺激

は衝撃的です。この堅い言葉をよくメロディに乗せたな、と。これでも歌になってしまうって、面白いですね。

ただ、Bメロも良いのです。

何が悪いのよ 何が悪いのよ

私の居場所は私が青くするよ

この強烈な自我、そして強く自立した姿勢。好きなものを「好きだ」と大きな声で言えるのもまた凄いことなのですね。

ただ選んだだけ

ひとつ選んだだけ

チョコレートケーキが好きだ

 

"ほとんどチョコレート"

考えてみればこのタイトルってとても素敵じゃありませんか? うまく説明しがたいのですが、言葉遣いのおかげで、美味しそうな絵がすっと浮かんできます。チョコレートとチョコレートケーキのぎりぎり境界にいるような感じ。あぁ食べたくなってきた。

 

「たんたんたん」というえっちゃんの声が私大にキーボードの音に変わっていくイントロが印象的。ギターレスで続いてきて、二番のサビ前で歪んだギターが入るのもかっこいいです。全体的にドラムのリズムなど、打ち込みっぽくて反響の大きい音作りになっています。イメージとしては深海を思い浮かべるような音の世界。

打ち込みといえば『誕生』が思い起こされると思いますが、既に2016年からの二人体制は"チャットモンチー・メカ"体制です。ただ、シングル曲や『とまらん』などの新曲がバンドサウンドなので打ち込みっぽさが感じられないというだけで。ただ、ライブの曲を聴くと、リアレンジは結構メカっぽさが出ています。特に『恋の煙』などは後の同期ver.に繋がる原形が出来ています。

こうして考えると、この『ほとんどチョコレート』は、やはり新曲で打ち込みサウンドを持ち込んだという点で、ある意味実験的で、またのちの『誕生』に繋がる原点となった一曲と言えるのではないでしょうか。*1

 

2011年にライブで1回だけ披露された?

公式発表がそう言っているのだからそうなのでしょう。ただ、ある方はブログで2012年ではないか、と指摘していました。これ、最初に知ったときはくみこん在籍時だと勝手に思い込んでいたのですが、多分2人になってからのようですね。

2人体制のときはシングル曲も何度かライブしてから録音して発売、という手順を踏んでいたそうなので、この曲も最初にライブで演奏したが、結局入れどころがうまく見つからなかった、ということだったのかもしれませんね。

*1:チャットモンチー機械仕掛けの秘密基地ツアー、DVD化とか配信とかお願いしますm(_ _)m