三匹の羊/チャットモンチー

チャットモンチーと私

『少女E』レビュー

作詞・作曲:橋本絵莉子
『変身』収録曲。

2ピース体制で収録されたアルバムです。音の少なさを工夫と演奏でカバーしていて、本当に強いサウンドを感じます。

少女E

少女E

少女Eっていうのはきっと絵莉子のEですよね。
「A型は几帳面だからいつもてんびん座で占う」
ってありますけど、えっちゃんは10/17生まれらしいですし。

だとすると、かなりえっちゃんのロックな部分がストレートに出ている曲ですよね。歌詞を見てもらえばわかりますけど、例えば
「隙を見せたらやられるんだ 過去に」
なんかはチャットモンチーの、特にくみこん脱退後の数度の「変身」の原動力になっているフレーズな気がしますよね。
「今」に甘えないぞ、という自己暗示的な意味合いもある一曲ではないでしょうか。

サウンドもまたとにかくかっこいい。個人的に『変身』は一番ロック色の高い、良い意味で攻撃的なアルバムだと思っているのですが、特にイントロがどの曲もクールですよね。
この曲もその一つで、四つ打ちのバスドラム→エレキの高音(名前がわからない)→エレキのメロディーと音が増えていきますが、特に音の少なさを感じず、寧ろ充実して聴こえます。
2人体制への「変身」後、『満月に吠えろ』ではまだ音が少ないシンプルな作りに聴こえていましたが、段々と『ハテナ』でハーモニカを使ったり、ギターレスの曲を作ったりするうちに音が厚くなったように思います。アルバムのオリジナル曲はそういう点でハイクオリティに仕上がっているのではないでしょうか。

あっこのドラムは、メジャーバンドのドラムとしては手放しに上手いとは言えませんが、独特の力強さがある上、シンプルなりにタムやシンバルでビートを取るなど工夫がちりばめられています。
特にくみこんを彷彿とさせるタム使いは、まさに「チャットモンチーのドラム」たるに充分でしょう。

ギターも歌詞も力強く響くこの曲は、「『変身』というアルバムを仕上げたのはまだ第一歩で、まだまだ新しいことをどんどんやるぞ」という宣言にも聴こえる一曲です。

変身(初回生産限定盤)(DVD付)

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昨日『共鳴』を書いたら楽器が多すぎて大変だったので、『変身』は楽かなぁと思っていましたが、寧ろ小細工が多くて大変でした……いや、このアルバムのクリエイティビティは眉唾ものですよ。