三匹の羊/チャットモンチー

チャットモンチーと私

チャットモンチーのアルバムについて

このブログ、とてもヲタクなブログになってしまっていて、多分あまり聴いたことない人が間違って足を踏み入れた日にはすぐに逃げ出す具合ですよね。
なので、今日はチャットモンチーの基本的なところを書いていこうと思います。アルバムについて。

2005年のデビュー以降3人で活動していたチャットモンチーですが、2011年にドラムの高橋久美子が脱退してから、オリジナルメンバー2人で完結まで活動することになります。

スリーピース期(三人官女時代)

【メンバー】橋本絵莉子福岡晃子高橋久美子
このときに出たのが、B面集1枚、ミニアルバム2枚、オリジナルアルバム4枚です。
【特徴】えっちゃん(橋本)の声が高くて細いです。ベースは初期が動きまくる派手なもので、時間とともに概ねシンプルで安定したものになります。ドラムは手数の多いくみこん独特のものです。

1st mini『chatmonchy has come』(2005.11.23)

chatmonchy has come
»記念すべきデビュー作。『サラバ青春』に代表されるように、全体的に「高校」の雰囲気が漂います。何回も聴くうちに好きになります。

1st『耳鳴り』(2006.7.5)

耳鳴り
»ダークでロック、曲調もころころ変わるような感じ。若いといえば若いのかも。刺さる人には一番刺さるアルバム。

2nd『生命力』(2007.10.24)

生命力
»一転してポップでハイテンポ、チャットモンチーの中では一番ガールズバンドっぽい。有名曲が多い。

3rd『告白』(2009.3.4)

告白
»初期の集大成。セルフプロデュースにより、『耳鳴り』のダークさと『生命力』のポップさが綺麗にアウフヘーベン(合わさって、昇華)された。ドのつく名曲がごろごろ。

c/w集『表情〈Coupling Collection〉』(2010.3.24)

表情<Coupling Collection>
»B面と言って侮るなかれ。順番は年代順ではなく、1作品として楽しめるように並び替えられている。バラード系が多い中(これも名曲揃いだが)、『湯気』などのシングルレベルの曲も。

2nd mini『Awa Come』(2010.10.27)

Awa Come
»地元徳島で主にレコーディングし、上京以前の4曲と帰省中の新作4曲で構成。『キャラメルプリン』など初期の名曲もありつつ、故郷の自由な風に吹かれた『ここだけの話』など、新しさも垣間見える。あっこ作曲が1曲。

4th『YOU MORE』(2011.4.6)

YOU MORE
»結果的には3人体制最後のアルバムとなった。リリース後のツアー中にくみこんが脱退を打診。以前から脱退を考えていたくみこんの歌詞には2人へのメッセージが。サウンドは更に自由で新しくなり、音の厚さはスリーピースの限界を超えている。あっこ作曲が1曲。

ツーピース期(2匹狼時代)

【メンバー】橋本絵莉子福岡晃子
ドラム脱退後、まさかのサポートなしでツーピースに“変身”。この頃はループマシンという、自分が弾いた演奏をその場で録音、繰り返す機械を使ってライブでも2人だけで曲を仕上げる。
基本的にはあっこがドラムに転向したが、えっちゃんはギター・ベース・ドラム・キーボード・ボーカルをこなし、あっこもベース・ドラム・キーボード・コーラスをする(詳しくは以下の記事を参照)。
ここではスリーピース時代をまとめたベストアルバム1枚とオリジナルアルバム1枚が出ている。ツアーののち、えっちゃんの結婚&妊娠を発表、活動休止。

ベスト『チャットモンチー BEST~2005-2011~』(2012. 2.15)

チャットモンチー BEST~2005-2011~
»スリーピース時代のアルバムリード曲とシングルA面の曲が収録されている。初回限定のDVDは収録曲と未発表で初期の代表曲『さいた』のライブ映像。

5th『変身』(2012.10.10)

変身
»多くのミュージシャンに衝撃と希望を与えた1枚。2人でもバンドはできると教えてくれた。クリエイティビティと活力に溢れており、比較的明るい曲が多いが、『歩くオブジェ』などの重い曲も。

六人体制時代(大人青春時代)

【メンバー】橋本絵莉子福岡晃子
【サポート:男陣】恒岡章下村亮介
【サポート:乙女団】世武裕子、北野愛子
「男陣」を迎えて、後に「乙女団」も加わって六人体制を入れ替え組み換えしながらライブを展開した。ツーピース、スリーピース(ドラムは恒岡章)、男陣、乙女団、男陣+乙女団、の5種類があった。この体制で10周年の武道館ライブを行う。
【特徴】えっちゃんの声が丈夫になった。また、通常のバンドサウンドに戻ったのみならずキーボードが入っているのが特徴的。男声コーラスもある。
このとき出したオリジナルアルバムが1枚。

6th『共鳴』(2015.5.13)

共鳴
»流石にチャットモンチーの実力を見せつけた1枚。サポートを迎えるに当たってスリーピースとは比べ物にならない音の厚さを作った。歌謡風の曲からハードロック、バラードまで多彩で豪華な1枚。

チャットモンチー・メカ期(メカニカル時代)

【メンバー】橋本絵莉子福岡晃子
打ち込みを取り入れて2人体制に戻った。普通は打ち込みの音は裏方が流してくれるのだが、全部ステージ上で完結させるところは、流石にライブ重視のチャットモンチーである。
【特徴】CD2枚+配信1枚の未収録シングルは、基本的にバンドサウンド。ラストアルバムはメカサウンドとなっている。CDについては特に音が薄いとかいうことは感じさせず、自然である。
この頃出したのが、オリジナルアルバム1枚、ベストアルバム1枚、トリビュートアルバム1枚。未収録シングルがCD2枚と配信1枚である。

『CHATMONCHY Tribute~My CHATMONCHY~』(2018.3.28)

CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜
»トリビュートアルバム。信じられないくらい豪華な面々が揃っており、原曲の良さも再確認できる。

7th『誕生』(2018.6.27)

誕生(通常盤)
»打ち込みでまとめた1枚で、なかなか耳に馴染ませるのが難しいが、聴くほどに良く聴こえてくる。ラストアルバムでこんな挑戦をするバンドがあるだろうか。DJみそしるとMCごはんやえっちゃんの息子が参加したり、元メンバーのくみこん作詞の曲があったりと、話題に欠かない。

ベスト『BEST MONCHY 1-Listening-』(2018.10.31)

BEST MONCHY 1 -Listening-(完全生産限定盤)
»アルバム・ミニアルバムのリード曲とシングルA面をまとめた1枚。ただし日本語カバー曲の『夢みたいだ』は未収録で、ほかに『サラバ青春』『バスロマンス』が収録されている。ちなみに2はDVD作品。

未収録シングル『majority blues』『 Magical Fiction』『I laugh you』

»バンドサウンド。前の2枚は特に3,4曲収録されているのもあり、合わせるとミニアルバムに相当する規模で聴き応えがある。特に『majority blues』は後期の代表作。
ちなみに20枚目のラストシングルはLP版の『たったさっきから3000年までの話』。『誕生』からシングルカットされた。

いかがでしたか。チャットモンチーの歴史をざっくりまとめてみました。これからアルバムレビューも書いていくので、ぜひ読んで下さい。

セトリについて

余談です。

ライブのセトリが公開されているサイトがあるので、色々眺めていました。初期のライブは順当に新曲をやっていますが、後年になると、そこにちょっと昔の曲を足したりもしますよね。その「昔の曲」について観察していると、面白いのです。

まず、大まかに言って、『誕生』以外のオリジナルアルバムと、『表情』についてはみんなツアーをしています。

そこで気になるのが、『Awa Come』『YOU MORE』の2枚の扱いです。なんと言ってもまず、2人体制への〈変身〉後はあまりこの2枚が演奏されていません。それに『Awa Come』はツアーがありませんでした。『YOU MORE』のツアーであるYOU MORE前線のセトリに『ここだけの話』『青春の一番札所』が入っているだけで、他はいつ演奏したのでしょうか……。

 

結論から言うと、2010年末のライブで数回は演奏されているようです。『ここだけの話』『キャラメルプリン』『青春の一番札所』あたりは2017年の機械仕掛けツアーなどでたまに演奏されましたが、他は珍しかったようです。特に『雲走る』とか演奏が少ないイメージです。

 

『YOU MORE』について。こちらは全部YOU MORE前線で演奏されたと思うのですが、そのあと驚くほどされてません。『バースデーケーキの上を歩いて帰った』が数回と『レディナビゲーション』が機械仕掛けツアーで演奏されたくらいですかね。他の曲全くありません。まあ脱退と(あんまり売れなかった)ってのもあるんでしょうか。

個人的には名曲揃いというか、奥の深いアルバムだとおもうのですが……。まあ思い入れが強すぎて『余韻』とか演奏できませんよね。

 

鳴るほど [Blu-ray]

鳴るほど [Blu-ray]

  • 発売日: 2011/12/07
  • メディア: Blu-ray
 

また何か見つけたことがあったら書き足そうと思います。

 

そうそう、この他にも、初期の曲って、年齢を重ねたのもあって、「年に似合わない」いうことで大半がほとんど演奏されなくなっていたと思うのですが、その代表格が『夕日哀愁風車』でした。まあ大学生ってよりか高校生っぽいくらい。

『生命力』が出たあたりからすでに演奏されなくなっていた曲ですが、一度だけ2010年い演奏されています。「サンタが中野にキスをした」で、Twitterで一曲ファンから募った結果、選ばれたらしいんです。

あっこ「私たちが避け続けてきた曲なんですけど……」「なにかの陰謀でしょ?」

と。ファン、流石やりますね(笑)

 

【楽曲提供】上白石萌音『白い泥』配信開始

作詞・作曲:橋本絵莉子の『白い泥』が配信開始になりましたね。
皆さん聴いてみましたか? 爽やかで素敵な曲です。

白い泥

白い泥

先に言っておきますけど、編曲は清水俊也、とありますのでチャットモンチー度は低いです。でもそれが面白いところでもあります。
Aメロは橋本絵莉子のソロとか、橋本絵莉子波多野裕文を彷彿とさせます。えっちゃんは高音にぐいと上がるのを歌うのが得意なので、作曲でそういうメロディが多用される気がします。
サビはちょっと『生命力』っぽい感じ。テンポのせいかな。
個人的にはBメロ(?)が一番好きです。「わかっているけど期限つきの世界」の「せかい」のメロディ、一瞬ドキッとさせられます。
そうですね、色々あれに似てるこれに似てると書きましたが、全体的には新しさを感じさせる曲でした。

上白石萌音さんも、初めて聴きましたけど、歌が上手いですね。可愛らしすぎず、大人びた声でありながらも高音に難なくついていけるの、なかなかいない歌い手かもしれません。

編曲を担当していないということもあり、意外とエリコ色の薄めな作品に仕上がっていますが、メロディラインの良さは際立っているようにも思います。
やっぱり編曲って大事なんですね。チャットモンチーだと『共鳴』でサポートメンバーが関わっていますけど、確かに新しさがありましたし。
んー、でも今回についてはえっちゃんに編曲もしてもらいたかった……ような。確かにまあ、えっちゃんが作るバラードを急加速させたみたいな目新しさはありましたけど。
sp.universal-music.co.jp

さて、他の曲、n-buna(ヨルシカ)の作曲・編曲のとかも聴きましたけど、対照的にそっくりそのままヨルシカで、これはなるほど面白いアルバムだなと思いました。名だたる面々が楽曲提供をしていますし。
上白石萌音『note』は明日発売ということです。

『素直』レビュー

作詞:福岡晃子 作曲:橋本絵莉子

『生命力』収録。

素直

素直

  • provided courtesy of iTunes

 シンプルなアコースティック編成で、ピアノをあっこ&えっちゃんが連弾、クラリネットをくみこんが演奏しています。さすが吹奏楽部。

構成は、A→B→サビ→サビ×2 です。「サビがどこだか」はっきりした曲なんですよね。

一回しか聞けないのですが、このBメロが結構好みです。

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『恋の煙(同期ver.)』レビュー

作詞:福岡晃子 作曲:橋本絵莉子
LPシングル『たったさっきから3000年までの話』B面、ラストアルバム『誕生』ボーナストラック。
たったさっきから3000年までの話(完全生産限定盤) [Analog]
1stシングルの打ち込みバージョンです。“同期”のBase Ball Bear小出祐介が参加しており、またメロディが一部異なります。

……「いや、なんで『恋の煙』じゃなくて同期ver.のレビューを書くんだよ」っていう声はわかります。わかりますがまあ読み進めてください。
正直に言うと、『恋の煙』はそんなに好きな楽曲じゃなかったのですが、これを聴いて原曲のほうもより好きになったのです。

聴けばすぐわかりますが、主に違う点は3つ。

小出祐介の参加

チャットに男性ボーカルが混ざるのは『Yes or No or Love』(アジカン後藤)、『私が証』(“男陣”下村)などありますが、やっぱり新鮮です。特に男声女声で掛け合いするのが、曲の内容にもぴったりです。

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『愛捨てた』レビュー

作詞:高橋久美子 作曲:橋本絵莉子

9thシングル『染まるよ』、『表情(c/w)』収録。

染まるよ

セルフ・プロデュース……ですかね? 『RPG』がいしわたり淳治プロデュースでしょうか。

(追記:『表情』インタビューによれば、セルフプロデュースだそうです)

チャットモンチーの中でもかなり好きな一曲なんですが、映像化されていないんですよね。なんで……。顔to顔ツアーが録画録音なく、また『告白』のライブでも演奏されていないからでしょうけども。どこかフェスとかのDVDにはあるのでしょうか。

愛捨てた

愛捨てた

  • provided courtesy of iTunes

愛捨てたとの言葉の通り、失恋の歌です。それにしても、『染まるよ』のB面にこれを入れるとはなかなか思い切った選択ですよね。一悶着あったようですが、カップリング曲との組み合わせも含めるとシングルの中ではかなり好きなほうです(『ときめき/隣の女』『majority blues/消えない星』とかが好き)。そして失恋2連チャンからの『RPG』。すごい構成。

 

やっぱりこの曲は大音量のギターと歌詞が最高です。サビがすごく好きだし実際キャッ―なので、Aメロとかのアレンジ次第ではシングルカットできた気もします。隠れた名曲(ってこの表現嫌いなんですけど)を紹介せよと言われたらまずこれは漏らしませんね。

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【楽曲提供】『白い泥』(上白石萌音)が8/23から配信

【楽曲提供】

橋本絵莉子作詞・作曲の『白い泥』という曲が、8/26発売の上白石萌音のアルバム『note』に収録されるらしいです。

8/22からEテレのアニメ「メジャーセカンド」のオープニング曲に、8/23からは先行配信もあるらしいです。

hashimotoeriko.com

えっちゃん作詞作曲の楽曲提供ですよ!!!

歌唱も好きですが、あのプライベートな詞を書くえっちゃんが、あくまで他人に提供する曲っていうのが興味深いです。

実は「完結」以後、あまり詞曲両方の提供はしていないのですよね。これからもっと増えていくのでしょうか。楽しみです。